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「マーケット感覚を身につけよう」 ちきりん 著

ネットの世界での超有名論客(今は本も出してるのでネットの世界に限らないけど)、ちきりん氏の最新刊。

マーケット=市場を知り、何が市場で価値があるのかを考えることで、可能性はいくらでも広がるよ、という話。
みんなが知ってるような、今現在のいろんな事例が普通の言葉で語られているので面白い。

公的部門にこそマーケット感覚が必要という言葉、非常に納得。それがないから、「前例がない」と言って新しい提案を拒み、「今までこれで大丈夫だったから」同じことを続ける。国内のどの自治体もどの官庁もそうだったから、国内の刺激で変わることはない。
変わるのは、国外の動きに刺激されるとき(現状が脅かされる可能性が出たとき)だ。
仁川空港に海外乗り継ぎ客を奪われたとか、国内トップクラスの優秀な学生が海外有名大学に流れたとか。いまやライバルは世界中にある。それを感じ、変化していける人が公的部門にいないと変われない。
メディアの記者クラブ問題とかも、外からの力で変わるだろうか?
おもてなしどーのこーの東京で言ってる間に、サルが温泉に入る写真やパウダースノーのスキー場が外国人観光客をゲットしている現状、東京で気付いているだろうか?


東京の人は一度は地方に住むべきだと思うな。
東京育ちの人は「東京離れるなんて無理ムリ~」とか言うけど、地方のクルマ社会、地方中核都市の支店やネット使って流行のものを手にする消費スタイルや、地元ならではの食文化や名産品や、住んでみないと分からないことがいっぱいある。地方の豊かさに気付くかもしれないし、逆に東京の優位を感じるかもしれない。


文中にあったけど、個人的には、テレビの市場性は、NHK→民放キー局→地方局→ケーブルTV→Youtubeだと思う。大スポンサーの意向がある民放キー局は横並びで硬直してるから、市場性はかなり低いかと。地方局の方が自由。そして北海道の「水曜どうでしょう」に影響を受けて、地方発のここでしか見られないコンテンツを探り始めてる。ような気がする。硬直した地上波テレビはこの先どうなっていくんだろう。。。?


うちの子たちにも、大きくなったらこれを読んでほしいなぁ。
でも私が生きる世界と我が子達が生きる世界は30年ほどずれてるわけで、やっぱり私が思う世界と我が子達に見える世界は違うのかもしれない。この本に出てくるケーススタディも子供達にとっては陳腐なものに思えるかもしれないけど、自分なりの言葉で考えるという、ちきりん氏の基本はきっとどんな時代においても変わらず必要なことだと思う。

今までのブログにも一貫している、市場を意識するという考え方、自分で考えるということ、変化を好む思考。それを感じられる面白い本。

マーケット感覚を身につけよう

ちきりん / ダイヤモンド社


by studio-yaya | 2015-04-08 22:00 |  

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