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映画「そして父になる」

<ネタバレ注意>
うわぁ。。。考えさせられる映画だなぁ。。。


ストーリーは、子供の取り違え。
都心の高層マンションに暮らして息子に小学校お受験をさせる家庭の子と、地方都市で町の電器屋を営む家庭の子が産婦人科で取り違えられていた、という話。

親子ってなんだろう? 血なのか? 環境なのか? と考えさせられる。


父親はわりとすぐに「入れ替えよう」と思う。血縁上の親子に戻そうとする。
母親はそうでもなくて、週末だけ入れ替えて生活しながら徐々に様子を見よう、とする。

母親は、環境を大切に思うんだよね、きっと。
毎日オムツを替えて、ご飯を食べさせて、公園に連れて行って、一緒に昼寝して、叱って、泣いて。。。一緒に過ごした圧倒的な時間が全て。血縁よりも、一緒に過ごした時間が「親子」の証だと感じる。

父親は、そうではない。
何しろ自分で産んでない。どこからかやってきた赤ん坊を見せられて「あなたの子ですよ」と言われるところから「父親」が始まる。大抵の父親は仕事に多くの時間を割いて、子供との時間は少ない。
一緒に過ごした時間と言う積み重ねがない父親にとっては、「血がつながっている」という理屈が親子の繋がりを証明するすべてだ。

だから、取り違えで「血がつながっていません」と言われたら、父親は入れ替えを考える。


映画の中でも、少しずつ両方の家庭が交流を持ちながら、入れ替えを行なう。映画の中の弁護士さんが言うには、日本では取り違えがあった場合は100%血縁上の親子に入れ替えることになるそうだ。


都心タワーマンションのエリート家庭。
地方の電器屋さんの粗野な家庭。

お行儀よく、大人しく過ごすエリート家庭の子は、忙しい父親とはなかなか一緒に遊べない。一人でできることは一人でやりなさい、と言われているのでお風呂に一人で入るし、普段は一人で静かに遊んでいるし、習っているピアノもポロンポロンと弾いたりする。
かたや、電器屋ファミリーは弟と妹とおじいちゃんも一緒に暮らしていて、とっ散らかった部屋で一緒にご飯を食べ、狭いお風呂に一緒に入り、壊れたおもちゃはお父さんに直してもらい、楽しく過ごしている。
極端なくらいに対比されているけれど、考えさせられる。

入れ替え生活のなか、福山雅治扮するエリート家庭のパパも、少しずつ変わっていく。血縁上の息子と近づこうと、今まで過ごしていた血縁上の息子とはやらなかったふざけた遊びをやるようになる。

でも、ふとデジカメの映像を見た時。福山扮するパパは気付く。息子は、パパの姿をいっぱい写真に撮っていたと。大好きなパパをいっぱい撮っていたけれど、それは疲れて眠りこけたパパばかりだったと。リビングのソファで眠ってしまったパパ、それでも息子にとっては大好きなパパだった。。。


思わず自分の子供の生まれた頃の写真を見てしまいました(^^; 入れ替わってないよね?と。

もし「取り違え」があったと言われたら?

うーん、私は今のままでいい、と答えるような気がする。
映画の子達に近い男の子が我が家にもいる。今まで約5年半、べったり一緒に過ごしてきて、いっぱい叱ったし、病院通いとかおねしょとか面倒なこともあったし、でもいっぱい笑ったし、可愛い言葉や仕草をいっぱい見せてもらったし。
どんな子が来ても、「いや私はこの子がいいんです」と言うような気がする。

by studio-yaya | 2016-11-05 00:54 | 映画  

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