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「我が子 ケネディ」 ローズ・F・ケネディ 著

アメリカ大統領・JFKの母であるローズが書いた彼女自身のストーリー。
ケネディ家についての本はとてもたくさん出版されているけど、家族自身が書いた本は稀。

裕福な家庭に育ち、多くの子に恵まれ、その中の一人は若くして大統領になった。そこまでの彼女の人生はそれはそれは幸福なものだった。JFKは大統領就任時わずか44歳。ローズは選挙活動を手伝い、多くの人に接し、"大統領の母"となった。
が、その後は多くの不幸に見舞われる。"悲劇のケネディ家"と呼ばれるとおり、息子の一人は戦死、二人は暗殺され、娘の一人は飛行機事故で亡くなった。この本に書かれたこれらの出来事の後にも、ローズの孫に当たる世代が事故や麻薬の過剰摂取で命を落としている。

ローズにはJFK含め9人の子がいて、家族、子ども同士の会話をとても大切にしていたという。歳の違う子たちが食卓を囲んであれこれ話し合う。子どもの小さな疑問から話題は文学、歴史、科学。。。とどんどん広まっていく。そんな知的環境が子ども達に様々な好奇心、コミュニケーション力などを与え、その後の政界などでの活躍に繋がるらしい。もちろん親世代、祖父母世代から引き継いだ資産、地位なども影響してるとは思うが。

悲劇的な最期を遂げる家族も多いが、現在も活躍している人はいる。カリフォルニア州知事・シュワちゃんの奥様はJFKの姪にあたるマリア・シュライバー。彼女の母親はJFKの妹で、スペシャルオリンピックス創始者のユーニス。JFKの別の妹、ローズマリーが知的障害を抱えていたことからこの活動が始まったらしい。政界で活躍する人、実業家などもいてやっぱり"華麗なる一族"であることに変わりはないらしい。

激しい言葉はないけれど、受け継いだ環境の中で最善を尽くし、子どもを育て、政治家の家族としてなすべきことを淡々とやっていく。そういう人だったようだ。重責を果たしながらも、普通の家族の日常も大切に生活する。「大統領の母」という珍しい肩書を持ち、生きた女性の記録。

わが子ケネディ (1974年)

ローズ・F.ケネディ / 徳間書店


by studio-yaya | 2010-12-03 09:26 |  

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