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「「準」ひきこ森 -人はなぜ孤立してしまうのか?-」

ひきこもり予備軍、「準」ひきこもりについての本。
真面目でぼちぼち成績も良く、大学に入った。人付き合いは苦手だけど、大学はクラスがないから人間関係の面倒くささがない。自分の取った授業に出席し、家とキャンパスを往復する生活。授業には出席してるし、ちゃんと単位も取ってるから誰も問題視しない。

おかしい、となるのは就職活動の頃。
周囲の学生が就職活動を始めるのに、彼(彼女)は活動を始めない。のらりくらりと理由をつけては説明会も面接も欠席、気づけば卒業。そしてニート、ひきこもり。。。

いそうです、こういう人。ってか、うちの大学にもいたんだろうなー。
真面目そうだから問題ないように見えるけど、人間関係をうまくこなす能力がない。人と関わらずに生きていくのは、こういう人にとっては居心地のいいラクなことなんだろうけど、実社会でそうやって生きていくわけにはいかない。でもそこには気づいてるんだか気づいてないんだか、見て見ないふりをしてるんだか。

著者は学力や特技の他に人付き合いの能力もなければ社会に出ていくことはできない、と言う。ごもっとも。でもそれってテストで判定できるようなものじゃないし、勉強して身につけるものでもないし、目に見えないし、難しい。
普通に生活してれば普通に身につくはずのものなのにね、いまどきはそれが難しいなんて。

こういう言葉を作ったのは面白いけど、"なぜ"孤立するのか、どうすればそこから抜け出せるかはあまり触れられていないのでちょっと残念。まぁそんな簡単に解決策が出るはずはないか。。。
著者自身がこの状態から抜け出せたと最後の方に書いてあるけど、これを真似できる現ひきこもりはそうそういないだろうなぁ。


「「準」ひきこ森 -人はなぜ孤立してしまうのか?-」

「準」ひきこ森―人はなぜ孤立してしまうのか? (講談社+α新書)

樋口 康彦 / 講談社


by studio-yaya | 2010-06-22 23:20 |  

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