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「ワーキングプア死亡宣告」 巨椋 修, 犬山秋彦, 山口敏太郎 著

何とも物騒なタイトルですね。。。
最近のキーワードの一つ、ワーキングプア。

社会学なんかの学者さんが書いている本ではなく、実際に低収入で苦しい生活をした当事者や、そういう人の話を多く聞いてきた人が書いている本なので、何とも胸が苦しくなるような切実なエピソードが続く。

ワーキングプアは怠け者だ、というのは間違い。
という指摘は、学者さんにはなかなかできないことかも。
高収入と安定した生活を得られた人はそれを自分の努力のおかげと思っているかもしれないけど、実際は親の地位や収入、周囲の環境に恵まれたからこそ得られた学歴、社会的地位であり、本人の努力一つで勝ちえたものではないだろう、と。
それはそうかも。私だって両親が学費を出してくれなかったら中卒や高卒で低賃金の仕事しか得られなかったかもしれない。両親が喧嘩ばかりしているとか、まるで学問に興味を持たずダラダラとパチンコ屋通いしてるとか、そういう環境にいたら自分も大学行こうなんて思わなかったかもしれない。たしかに、恵まれていたのかも。

どうすれば生き残れるのか。その辺はあまり書かれていないけれど。

私見では、ワーキングプアを意図的に作ろうとしている社会の中では、少しでも多く働いて稼いでプアから抜け出すか、それが難しいなら収入が少なくても幸せを感じられるよう生活と価値観をシフトするしかない。どちらもできないなら、絶望的な気分のまま貧困層に居続けるしかない。


ちょっと誤字が多いのが気になったけど(ちゃんと校正しようよ(^^;)、貧困層の現実を少し知ることができる本です。

★★
「ワーキングプア死亡宣告」

ワーキングプア死亡宣告 (晋遊舎ブラック新書 13)

巨椋 修 / 晋遊舎


by studio-yaya | 2010-03-19 01:16 |  

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